📦 在庫入荷量の推定Tp

出荷データから在庫量・入荷量を推定する計算画面 - 詳細説明書

📋 タブ概要

🎯 「在庫入荷量の推定Tp」とは
在庫入荷量の推定Tp(在庫入荷量の推定タブページ)は、
出荷データ(T200テーブル)から在庫量と入荷量を推定する計算画面です。

物流センター設計の重要な基礎データとなる在庫量を推定し、
保管スペース・入荷設備の規模を算出します。

ケース出荷分とバラ出荷分を独立して計算し、
CI/EIランク別(A1/A2/B/C/D)に在庫量・入荷量を推定します。

このタブでは、出荷日数・在庫日数・出荷物量を基に、
最大在庫日数・安全在庫日数・安定運用時在庫日数を設定し、
ランク別の在庫量・入荷量を自動計算します。

🎯 目的と役割

主な目的

  • 保管スペースの計算: 在庫量からパレット数・棚数・倉庫面積を推定
  • 入荷設備の規模設定: 1日当たりの入荷量から必要な入荷バース数・検品設備を推定
  • ランク別在庫方針の検討: A1/A2/B/C/Dランクごとに最適な在庫日数を設定
  • ケースとバラの分離管理: ケース保管エリアとバラ保管エリアを独立して設計
  • 入荷頻度の推定: 入荷サイクルから納品回数・トラック台数を推定

システム内での位置づけ

項目 内容
親フォーム 2在庫入荷量の推定.vb
親TabControl 在庫入庫推定Tc
タブ名 在庫入荷量の推定
TabPage名 在庫入荷量の推定Tp
データソース T200(条件抽出後の出荷データ)
T050_日別仮集計(出荷日数)
TS30_ケース出荷保管設備/バラ出荷保管設備(設備割付)
更新タイミング フォーム起動時に自動集計
「ケース出荷分開始Bt」「バラ出荷分開始Bt」クリックで在庫・入荷量計算実行

🖼️ 画面構成

階層構造

在庫入荷量の推定Tpは、以下の要素で構成されています。

エリア 内容
GroupBox4(上半分) ケース出荷分の在庫・入荷量計算エリア
GroupBox2(下半分) バラ出荷分の在庫・入荷量計算エリア

ケース出荷分エリア(GroupBox4)

📦 ケース出荷分の構成要素
コントロール名 役割
ケース出荷日数Tb 出荷期間の日数を表示(T050_日別仮集計から自動取得)
ケースA1~D 最大在庫日数Bt ランク別の最大在庫日数をユーザーが入力
ケースA1~D 安全在庫日数Bt ランク別の安全在庫日数をユーザーが入力
ケースA1~D 運用時在庫日数Bt 安定運用時の在庫日数(自動計算: (最大-安全)/2 + 安全)
ケース出荷分開始Bt 在庫量・入荷量の計算を実行するボタン
ケース単位出荷物量計算Dgv ランク別の在庫量・入荷量計算結果を表示(左側)
ケース単位出荷結果Dgv 在庫量・入荷量の切替表示エリア(右側)
ケース在庫量Rb / ケース入荷量Rb 結果Dgvの表示内容を切り替えるラジオボタン

バラ出荷分エリア(GroupBox2)

🔢 バラ出荷分の構成要素
コントロール名 役割
バラ出荷日数Tb 出荷期間の日数を表示(ケース出荷日数と同一)
バラA1~D 最大在庫日数Bt ランク別の最大在庫日数をユーザーが入力
バラA1~D 安全在庫日数Bt ランク別の安全在庫日数をユーザーが入力
バラA1~D 運用時在庫日数Bt 安定運用時の在庫日数(自動計算: (最大-安全)/2 + 安全)
バラ出荷分開始Bt 在庫量・入荷量の計算を実行するボタン
バラ単位出荷物量計算Dgv ランク別の在庫量・入荷量計算結果を表示(左側)
バラ単位出荷結果Dgv 在庫量・入荷量の切替表示エリア(右側)
バラ在庫量Rb / バラ入荷量Rb / バラ出荷Rb 結果Dgvの表示内容を切り替えるラジオボタン

💡 在庫量の考え方

在庫日数の3つの概念

📅 在庫日数の種類
項目 意味 設定方法
最大在庫日数 入荷直後の在庫量(最も多い状態)
例: 30日分の在庫を一度に入荷
ユーザーが手動入力
安全在庫日数 次の入荷が来る前の最低在庫量
例: 5日分は常に確保
ユーザーが手動入力
安定運用時在庫日数 平均的な在庫量
(最大と安全の中間値)
自動計算:
(最大-安全)/2 + 安全
🎓 在庫日数の設定イメージ
  • 最大在庫日数 = 30日: 月1回まとめて入荷
  • 安全在庫日数 = 5日: 欠品リスクを避けるため最低5日分確保
  • 安定運用時在庫日数 = (30-5)/2 + 5 = 17.5日: 平均的には17.5日分の在庫

在庫は、最大30日 → 徐々に減少 → 安全5日まで減少 → 再び30日まで入荷
という鋸波(のこぎりは)パターンで推移します。

ランク別の在庫日数設定例

ランク 最大在庫日数 安全在庫日数 運用時在庫日数 運用イメージ
A1 15日 3日 9日 高頻度入荷(週2回)
A2 20日 5日 12.5日 中頻度入荷(週1回)
B 30日 7日 18.5日 月2回入荷
C 60日 10日 35日 月1回入荷
D 90日 15日 52.5日 2~3ヶ月に1回入荷

🔧 在庫日数設定

設定手順

  1. 出荷日数を確認
    • ケース出荷日数Tb / バラ出荷日数Tb に自動表示される
    • T050_日別仮集計から取得
  2. 最大在庫日数を入力
    • ケースA1~D 最大在庫日数Bt に数値を入力
    • バラA1~D 最大在庫日数Bt に数値を入力
    • 一般的には、A1=15日、A2=20日、B=30日、C=60日、D=90日
  3. 安全在庫日数を入力
    • ケースA1~D 安全在庫日数Bt に数値を入力
    • バラA1~D 安全在庫日数Bt に数値を入力
    • 一般的には、A1=3日、A2=5日、B=7日、C=10日、D=15日
  4. 運用時在庫日数の自動計算
    • 最大と安全を入力すると、自動的に運用時在庫日数が計算される
    • 計算式: (最大 - 安全) ÷ 2 + 安全
💡 在庫日数の決め方
  • 回転率が高い(Aランク): 短い在庫日数 → 頻繁に入荷
  • 回転率が低い(D/Cランク): 長い在庫日数 → まとめて入荷
  • 安全在庫日数: 納品リードタイム + バッファ
  • 最大在庫日数: 入荷頻度の逆数(週1回入荷 → 7日、月1回入荷 → 30日)

🧮 在庫量計算

計算ロジック

📊 在庫量の計算式
① 平均出荷量/日
平均出荷量/日 = 出荷物量合計 ÷ 出荷日数

② 在庫バラ数
在庫バラ数 = 平均出荷バラ数/日 × 安定運用時在庫日数

③ 在庫ケース換算
在庫ケース換算 = 平均出荷ケース換算/日 × 安定運用時在庫日数

④ 在庫PL換算
在庫PL換算 = 平均出荷PL換算/日 × 安定運用時在庫日数

⑤ 在庫容積換算
在庫容積換算 = 平均出荷容積換算/日 × 安定運用時在庫日数

⑥ 在庫重量換算
在庫重量換算 = 平均出荷重量換算/日 × 安定運用時在庫日数

在庫アイテム当たり物量

📦 1アイテム当たりの在庫量
⑦ 在庫バラ数/アイテム数
在庫バラ数/アイテム = 在庫バラ数 ÷ 在庫アイテム数

⑧ 在庫ケース換算/アイテム数
在庫ケース換算/アイテム = 在庫ケース換算 ÷ 在庫アイテム数

⑨ 在庫PL換算/アイテム数
在庫PL換算/アイテム = 在庫PL換算 ÷ 在庫アイテム数

在庫PL格納数の計算

🏗️ 必要パレット数の推定

在庫のパレット積載形態を判定し、必要なパレット数を計算します。

⑩ PL積付形態判定
在庫PL換算/アイテム の値から判定:
- 0.5以上: 「ケースPL」(ケース単位でパレット積載)
- 0.5未満: 「ケースラック」(棚保管)

⑪ 在庫PL格納数
ケースPLの場合: 在庫PL格納数 = 在庫PL換算
ケースラックの場合: 在庫PL格納数 = 在庫アイテム数 ÷ アイテム/PL(棚1枚当たりの収納数)

📥 入荷量計算

計算ロジック

📊 入荷量の計算式
① 入荷サイクル
入荷サイクル = 最大在庫日数 - 安全在庫日数

② 入荷アイテム数/日
入荷アイテム数/日 = 在庫アイテム数 ÷ 入荷サイクル

③ 入荷PL換算/日
入荷PL換算/日 = 平均出荷PL換算/日
※ ただし、入荷PL数/日 ÷ 入荷アイテム数/日 > 0.5 の場合のみ

④ 入荷ケース換算/日
入荷ケース換算/日 = 平均出荷ケース換算/日
※ ただし、入荷PL換算/日 が0の場合のみ

⑤ 入荷バラ数/日
入荷バラ数/日 = 平均出荷バラ数/日
※ ただし、入荷PL換算/日 と 入荷ケース換算/日 が0の場合のみ
📌 入荷形態の自動判定
システムは、アイテム当たりの物量に応じて、
PL入荷 → ケース入荷 → バラ入荷 の順で判定します。

例: A1ランクの1アイテム当たりのPL換算が0.8の場合
→ PL入荷として処理(ケース・バラ入荷量は0)

📖 使用方法

基本操作(ケース出荷分)

  1. 在庫日数を設定
    • ケースA1~D 最大在庫日数Bt に数値を入力
    • ケースA1~D 安全在庫日数Bt に数値を入力
  2. 計算を実行
    • 「ケース出荷分開始Bt」ボタンをクリック
    • ⇒ 在庫量・入荷量が自動計算される
  3. 結果を確認
    • 左側の「ケース単位出荷物量計算Dgv」に詳細計算結果が表示される
    • 右側の「ケース単位出荷結果Dgv」に在庫量または入荷量が表示される
  4. 表示切替
    • 「ケース在庫量Rb」: 在庫量を表示
    • 「ケース入荷量Rb」: 入荷量を表示

基本操作(バラ出荷分)

  1. 在庫日数を設定
    • バラA1~D 最大在庫日数Bt に数値を入力
    • バラA1~D 安全在庫日数Bt に数値を入力
  2. 計算を実行
    • 「バラ出荷分開始Bt」ボタンをクリック
    • ⇒ 在庫量・入荷量が自動計算される
  3. 結果を確認
    • 左側の「バラ単位出荷物量計算Dgv」に詳細計算結果が表示される
    • 右側の「バラ単位出荷結果Dgv」に在庫量または入荷量が表示される
  4. 表示切替
    • 「バラ在庫量Rb」: 在庫量を表示
    • 「バラ入荷量Rb」: 入荷量を表示
    • 「バラ出荷Rb」: 出荷量を表示
⚠️ 注意事項
  • 在庫日数は必ず正の数値を入力してください。
  • 最大在庫日数 > 安全在庫日数 でなければ正しく計算されません。
  • ケースとバラは独立して計算されます(同時計算ではない)。
  • 計算結果は保存ボタンをクリックすることでExcelに出力できます。

📚 結果の解釈

在庫量の解釈

項目 解釈のポイント
在庫PL換算 必要な保管スペース(パレット数)
例: 500PL → 1.5m × 1.5m × 500 = 1,125㎡(通路含めず)
在庫容積換算 必要な倉庫容積
例: 1,000㎥ → 倉庫天井高5mの場合、200㎡必要
在庫アイテム数 保管する品番数
棚仕様の決定に活用
在庫PL格納数 実際に必要なパレット数(棚保管含む)
パレットラックの段数・列数設計に活用

入荷量の解釈

項目 解釈のポイント
入荷アイテム数/日 1日当たりの入荷品番数
検品・棚入れ作業量の目安
入荷PL換算/日 1日当たりの入荷パレット数
入荷バース数・トラック台数の推定に活用
入荷ケース換算/日 1日当たりの入荷ケース数
ケース検品設備の能力設計に活用
入荷バラ数/日 1日当たりの入荷ピース数
バラ検品・棚入れ作業量の推定

💼 活用例

ケーススタディ1: 保管スペースの推定

目的

ケース保管エリアに必要なパレットラック棚数を推定する

手順

  1. 在庫日数を設定し、「ケース出荷分開始Bt」をクリック
  2. ケース単位出荷物量計算Dgv の「在庫PL格納数」を確認(例: 500PL)
  3. パレットラックの仕様を設定(例: 5段×10列 = 50PL/ユニット)
  4. 必要ユニット数 = 500PL ÷ 50PL/ユニット = 10ユニット

期待される効果

  • ✅ パレットラックの必要台数を算出
  • ✅ 倉庫設備投資額の推定

ケーススタディ2: 入荷バース数の推定

目的

1日当たりの入荷量から必要な入荷バース数を推定する

手順

  1. 在庫日数を設定し、「ケース出荷分開始Bt」をクリック
  2. 「ケース入荷量Rb」を選択し、「入荷PL換算/日」を確認(例: 50PL/日)
  3. 1バース当たりの処理能力を設定(例: 10PL/時間、8時間稼働 = 80PL/日/バース)
  4. 必要バース数 = 50PL/日 ÷ 80PL/日/バース = 1バース(余裕を持って2バース確保)

期待される効果

  • ✅ 入荷バース数の決定
  • ✅ 入荷設備の規模決定

ケーススタディ3: ランク別在庫方針の検討

目的

A1/A2/B/C/Dランクごとに最適な在庫日数を決定する

手順

  1. 初期値として標準的な在庫日数を入力(A1=15日、A2=20日、B=30日、C=60日、D=90日)
  2. 「ケース出荷分開始Bt」をクリックして在庫量・入荷量を計算
  3. 在庫PL格納数と入荷量を確認し、倉庫スペースと入荷能力の制約を考慮
  4. 制約に収まるように在庫日数を調整して再計算

期待される効果

  • ✅ ランク別の最適な入荷頻度の決定
  • ✅ 在庫保管コストと入荷作業コストのバランス最適化

📚 まとめ

🎯 在庫入荷量の推定Tp の特徴
  • 出荷データから在庫量を逆算: 出荷物量と在庫日数から必要な在庫量を推定
  • ランク別の在庫管理: A1/A2/B/C/Dランクごとに異なる在庫日数を設定可能
  • 3つの在庫日数: 最大・安全・安定運用時の3つの概念で在庫を管理
  • 入荷量の自動計算: 在庫サイクルから1日当たりの入荷量を推定
  • ケース/バラの分離管理: ケース保管エリアとバラ保管エリアを独立して設計
  • 保管スペースの推定: 在庫PL格納数から必要なパレットラック数を算出
📖 使用推奨パターン
  1. 倉庫設計前のデータ収集: 必要な保管スペース・入荷設備規模の推定
  2. ランク別在庫方針の決定: A1は15日、Dは90日など、入荷頻度の最適化
  3. What-If分析: 在庫日数を変えて、スペース・入荷量の変化を確認
  4. コスト最適化: 在庫保管コストと入荷作業コストのバランス検討
  5. Excel出力: 計算結果を保存し、報告資料に活用
🎓 在庫入荷量推定の重要性
在庫入荷量の推定Tpは、物流センター設計の最重要データを提供します。

出荷データ分析が「どのアイテムが重要か」を示すのに対し、
このタブは「どれだけの在庫を持ち、どれだけ入荷するか」を示します。

両方を組み合わせることで、効率的かつ現実的な物流システムを設計できます。